8塗料の使用量
ここでは、実際の工事に使う塗料の使用量についてお話します。
工事完成後に壁や屋根工事前に比べると綺麗にはなったけど、なんとなく色ムラがあるなぁと感じたり、工事後数年で塗膜が捲れてしまったり、色が褪せてしまったりするということが、実際にあるんです。
正直なところ、一般の方は仕上がりを見ても分からないかもしれませんが、私たちから見れば一目瞭然で、「あーここは1回塗りやな」「シーラー(吸い込み防水剤、接着剤の役割)1缶、1発やな」と分かります。
当然、材料コストは抑えることが出来、お客様にも安い値段の見積りを提出できますが、果たしてそれで良いのでしょうか?
大切な住まいの工事ですから丈夫で、美しく、10年先の安心をと方針を掲げている私どもからすると、価格は安くなるに越した事はないですが、1番大切な“住まいを守る”という趣旨がブレてしまいます。
ですから私たちは品質と価格両方を重視して頂くことが大切と考えております。
例えば、1缶あたりで30㎡の基準塗布量の塗料があった場合に、1缶あたりで200㎡塗ってしまうと塗料の厚みがなく、耐久性や見た目が悪くなります。また、多くの塗料メーカー発表の塗布量(塗料の使用量)については、原則として新築・改修ともに同じデータとなっているケースもありますので、改修工事の場合は、既存の外壁や屋根の状態の劣化が進行している場合、塗料の吸い込みが激しくなるために、メーカー発表の塗布量データ通りに施工を行うと、仕上がり時に色ムラが残る原因となります。
そのため、弊社としましては、現在の状態に対して、塗料不足による色ムラが発生しないように塗料の使用缶数を算出しており、そのほとんどのケースで、メーカー発表の塗布量を上回る計算式で使用する塗料の量を算出しております。
また、水性塗料の場合は水を入れ希釈しますが、水を入れすぎるとシャバシャバの塗料になり、作業する者からすると塗りやすいですが、色のとまりが悪く、色ツヤのもちも悪くなります。
溶剤系の塗料も同じく、塗料用のシンナーを入れますが、これも塗料用シンナーを入れすぎると、塗料がシャブシャブになり色ツヤの持ちが短くなりますので、弊社では使用する塗料の希釈率を守り、作業を行います。
このような1つ1つの積み重ねで、仕上がりや色の持ちが変わり、年数が経てば経つほど、色ムラや色あせ、汚れ、傷みといった差がでてくるのです。
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